中国茶と中国茶よもやま話
中国から見た中国と日本の違い

中国茶ニュース

『中国茶事典』工藤佳治編

 われわれが中国の広大な文化を知るには、何も難しい漢文を読むのが唯一の方法ではない。料理とか、菓子とか、酒とか、茶とか、具体的に味わい、楽しむことのできるものから始めるのも、意味のある手段である。現在、中国茶に興味を持つ人が増えているのも、中国文化への探求心を満足させるからかもしれない。

 本書は、現代中国で生産されている茶の、主要な銘柄の100種をカラーで紹介し、味わいや水色を知ることができる。また名茶1400種を、茶名別、産地別、茶種別に掲載しており、多彩な中国茶の世界が、おのずと体系的に理解できる。

 茶を飲むという習慣は、中国に始まり、製茶技術も発展の一途をたどってきた。唐宋の固形茶から、やがて葉茶が発展し、蒸製から炒製へ、不発酵茶(緑茶)から発酵茶(ウーロン茶・紅茶)へと進化し、世界の喫茶文化に影響を与え続けてきた。茶を飲用する手段や、それに付随する茶文化も、文人文化の一部として、発展変化を遂げてきた。われわれが日本の抹茶文化(茶の湯など)や、西欧の紅茶文化(アフタヌーンティーなど)を考える上にも、そのルーツとしての中国茶文化を知る必要がある。

 現代の中国に限っても、茶は「国飲」として位置づけられ、技術の改良、茶樹の改良、新製品の開発、各地での品評会や学会の開催、いずれをとっても、他の国には見られない勢いがある。日本では、ウーロン茶が「やせるお茶」としてブームとなって、それなりの定着をみせているが、実は中国茶の世界は、もっと深いもので、西欧におけるワインやチーズのような、深遠な世界が広がっているのである。

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