中国茶ニュース
日台交流の絆“トウサン(多桑)”たちの心情を語る
日本と台湾の交流を今後どう深めていくか、をテーマに17日、ノンフィクション作家・平野久美子さんの講演会が、スクワール麹町(東京)で開催された。題して『トオサン(多桑)からバトンタッチなるか?日台交流の今後』というものであった。主催は、日本台湾医師連合会である。
王紹英会長は講演会の意義をこう語る。「台湾の親日の源になっているのは、台湾のいわゆる日本語世代です。彼らは、蒋介石政権下の抑圧を耐えて台湾の社会を支え、今日の民主政治と繁栄を築き上げました」。
しかし、時の流れで、現在の主役は国民党の教育政策で育った中国語世代に移り変わった。台湾の舵をとっているのはもはやトウサン(多桑)たちでなく、台湾式マンダリンを操る世代となった。「歴史の悲劇の産物である世代間の言語の断層を乗り越えてトオサンたちの親日感情は、次世代にどう受け継がれるべきか、その答えを平野久美子さんのお話に見出そうとするものです」。
講師の平野久美子さんは、学習院大学卒業後、編集者を経て、アジアを中心としたノンフィクションを執筆。00年第6回小学館ノンフィクション大賞を受賞。04年からは台湾の大学に通いながら取材し、台湾のアイデンティティーを探った。そのなかで、日本の統治時代に、台湾人でありながら日本人とされ、帝国主義教育をうけ、敗戦と同時に中国人にみなされ、日本に見放された人々。それでもなお、愛憎をまじえた親日である人々を取材して、アンケート調査をした。その成果が、著書「トオサンの桜―散りゆく台湾の中の日本」(小学館)である。ほかにも『テレサ・テンが見た夢華人歌星伝説』(晶文社)、『中国茶と茶館のたび』(新潮社)』などがある。
講演では、王海清さんのように日本人としての桜好みに影響されて、自費で、台湾・霧社に桜並木を作った人や、日本の教育を受けたために、戦後の台湾社会になじめないものを持ち、頑固で信念を持つ人々の心の葛藤を語った。平野さんは、この人々と出会ったことで、軍隊経験をした自分の父親を思った。時間厳守や整理整頓にこだわり、厳しい躾を押し付けてきて、娘の自分と歯車のかみ合わない父の姿をそこに見るような気がしたという。
その一方でまた、現在の台湾は、団塊の世代の日本人の受け入れ体制を強化し、台湾農業の国際的競争力強化の知恵を学べるのではないか、と期待していることなどの現状なども語った。そして、トウサンたちの日本への心情を、現世代につなぎとめるためには、もっと日本と台湾は人的交流をすべきであると語った。彼女は、先ごろ台湾人学生のホームステイを引き受けている。
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