中国茶の効能
中国茶の旨味と渋み
お茶は、かつて日本に「薬」として中国から入ってきたことはよく知られている。
臨済宗を我が国に伝えた僧・栄西が、茶の効能を説き勧めた『喫茶養生記』は、まさに、茶の生理学的薬効を説いたものだった。
この書はお茶に関する国内最古の著作だとされている。鎌倉時代、将軍源実朝が宿酔(ふつかよい)に苦しんでいる折に、茶を一服たて、この書を献じたというエピソードから、特に世に知られるようになった。
では、植物としての茶はどのようなものなのだろうか。百科事典によれば、茶とは、ツバキ属のチャ節に属する植物で、2 つの
種からなるとされる。
そのひとつは葉が小さくて丸い低木。寒さに強く、日本、中国などで栽培されて緑茶製造に適するとされるもの。
これを一般に中国種と呼ぶ。
もう一方のものは、葉が大きくて先がとがった高木。寒さに弱く、インドなどの熱帯地方で栽培されて紅茶製造に適するとされるもの。これがアッサム種である。
ただ、外見や植生に違いはあるが、遺伝子的に両者は同一の範疇で、自由に交雑するところから、雑種も多いとされる。
この交雑性の高さが、おそらく多様な茶葉を生み出し、そのことが結果として、飲み方の文化の違いを育て上げたのかもしれない。
お茶の時間に楽しむ日本茶、紅茶、中国茶は、どのような楽しみを与えてくれるだろうか。
それは大別すると、身体に活気を与えてくれるカフェインと、美味しさで和ませてくれるテアニンという物質が主なもののよう
だ。
カフェインは茶葉にもコーヒーにも共通の要素だが、茶葉には茶の旨味成分とされるアミノ酸類、特にテアニンと呼ばれる物質
がある。
テアニンは、茶において初めて発見された物質で、茶のアミノ酸の中で最も多く茶葉に含まれるものだ。しかも茶以外の高等植物でテアニンは見出されないというから、茶独得の成分だといっていいだろう。
このテアニンが、お茶の渋みの基とされるカテキンへと変化する。日光によって行われる光合成の際に、茶葉の中で、テアニン
は光合成に利用されてカテキンになるのだ。
この変化は、土中で窒素がアンモニア系物質に変化して吸収されることに関係している。アンモニア系物質となった窒素を
茶葉に蓄えるにあたってお茶は、テアニンを変化させカテキンという、自らに安全なものとして合成しているのだと考えられてい
る。
日光に当たることで生成されるカテキンは、葉を覆って栽培するなどの工夫をすれば含有率を下げることが出来る。
玉露などの渋みの少ないお茶は、このようにして作られたものだ。手間がかかっているのである。
そして、このカテキンがいくつか複合することによって生まれるのがタンニンである。
一般に茶の渋みはタンニンによるとされるが、いれられたお茶に含まれるタンニンは、高い温度の中ですぐに酸化して酸化タンニンとなり、これがお茶を濁らせたり、味や風味に大きく影響を与えたりするところから、茶の渋みの代表のようにいわれるので
ある。
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